皆さんは遺言書は作られていますか?
「遺言書を作らなきゃ」とは思うものの、どう作って良いか分からないし、なんだかめんどくさそう。うちは家族も仲良しだし、親族のトラブルもない。財産も沢山ある訳でもないし、遺言書を作らなくも大丈夫でしょ!
ちょっと待ってください!!どのご家庭でも相続トラブルが起こる可能性があります。トラブルを未然に防ぐには、遺言書の作成が有効です!!
そんなこといっても、本当にわずかばかりの財産しかないのよ。トラブルなんて起こると思わないけど。
見ていただきたい統計データがあります。相続トラブルの起きた遺産総額と件数・割合です。
遺産総額 | 件数 | 割合 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 2,476 | 32.98% |
5,000万円以下 | 3,249 | 43.27% |
1億円以下 | 832 | 11.08% |
5億円以下 | 533 | 7.10% |
5億円超 | 53 | 0.70% |
算定不能・不詳 | 364 | 4.84% |
総数 | 7,507 |
このように、全体の4分の3以上の相続トラブルが「遺産総額5000万円以下」であり、「1000万円以下」だけでも全体の3割を超えています。
相続トラブルって、芸能人とか実業家とか「大金持ち」の人の話かと思っていたわ。身近な私たちにも無縁ではないのね。
そうなんです。相続のトラブルはどの様な家庭でも発生します。むしろ、わずかな財産の権利を互いに主張し、分け前が取り合いになるため「遺産が少ない方が親族間でもめてしまう」場合も少なくありません。
遺言書の効力と重要性
遺言書を作った方が良い理由
遺言書を作っていなかった場合、相続人全員で遺産の分け方を話し合い、遺産分割協議書を作って相続人全員の実印の押印が必要となります。
その際にこんなトラブルがあります。
①いくら話あっても相続人同士の話し合い(遺産分割協議)がまとまらない
②相続人の一部と連絡が取れない
③相続人が認知症でハンコを押せない。
そんな時、亡くなった人(被相続人)が生前に遺言書を作っていれば、遺産分割協議をせずにスムーズに相続手続ができるのです。
遺言書を作っていた方が良い5つのケース
- 相続人のうちの一人だけが親御さんと同居して世話をしてくれている等
- 相続人のうちの一部の人にだけ生前贈与をしている財産がある
- 自宅不動産が主な財産である
- 農地などの売却が難しい不動産がある
- 会社を経営している(又は株主である)
- 法定相続人に以外(例えば内縁の妻や夫など)にも財産を残してあげたい
1・2のケースの場合、相続人の間で、苦労したり、すでに財産を分けてもらった親族の扱いでトラブルになるケースが多いです。
3の自宅不動産などは分割が難しく、特定の相続人が住むのか、売却してお金にするか等、相続の際にトラブルになるケースがあります。
4の農地は原則農家にしか売れないので、相続人が農業をしないのであれば、単に管理の負担が増えることとなります。
5については、会社の重要な決定は株主総会で行うので、遺産分割協議協議がまとまらないと、株式の議決権行使ができずに、会社運営に支障がでる恐れがあります。
6は内縁の配偶者は、民法上、相続人になりませんが、遺言書で「○○に遺贈する」と指定しておけば、相続財産を受け取ることができます。
以上の6つのケースはもちろん、その他、円滑に遺産相続をしたい場合は遺言書の作成をオススメします。
遺言書の種類と特徴
遺言は、法律の定めに従った方式(普通方式3種類+特別方式2種類)で作成されることが求められており、これに反する遺言は無効と判断されてしまいます。それぞれの方式にはメリット・デメリットがありますので、あなたに合った方式を選択することも重要です。
普通方式遺言と特別方式遺言
遺言には、大きく分けて2つの種類の遺言があります。【普通方式の遺言】と【特別方式の遺言】です。 一般的に行なわれているのは、普通方式の遺言です。
- ①普通方式遺言
-
普通方式遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。ハナハ行政書士・社会福祉士事務所で公正証書遺言をオススメしております。
- ②特別方式遺言
-
特別方式遺言には、危急時遺言(一般危急時遺言・難船危急時遺言)、隔絶地遺言(一般隔絶地遺言・船舶隔絶地遺言)があります。いずれも、普通方式遺言ができない特別な状況の下においてのみ認められる略式方式です。
普通方式遺言について
普通方式遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
自筆証書遺言
遺言者が遺言の全文・日付・氏名を自書し、押印して作成する遺言です。筆記具と紙さえあればいつでも作成可能です。反面、内容をチェックしてもらうわけではありませんので、「法的要件不備のために無効」となる危険性があります。
公正証書遺言
公証人に作成してもらい、原本を公証役場で保管してもらう方式の遺言です。作成や保管を専門家である公証人(役場)がやってくれるので、法的に最も安全・確実な方法です。遺言書作成のトラブル防止のために、ハナハ行政書士・社会福祉士事務所では公正証書遺言の作成支援をさせて頂きます。
秘密証書遺言
遺言者が用紙に記載し(ワープロ・代筆も可)、自署・押印した上で封印した遺言を、公証人役場ににもっていき公証人や証人立会いの下で保管を依頼します。遺言の内容を誰にも知られずに済み、偽造・隠匿の防止になります。ただし、遺言内容について専門家のチェックを受けるわけではないので不備があれば無効となる危険性があります。
3つの普通方式遺言の種類と特長(比較表)
種類 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 |
---|---|---|---|
作成方法 | 遺言の全文・氏名・日付を自分で自書し、押印。 | 本人と証人2名で公証役場へ。本人が遺言内容を口述し、それを公証人が記述。 | 本人が証書に署名・押印後、封筒に入れ封印したものを公証役場で証明。 |
証人 | × | 証人2名以上 | 公証人1名・ 証人2名以上 |
家庭裁判所の 検認(注) | 〇 | × | 〇 |
遺言書の開封 | 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人等の立会いの上開封 | 開封手続きは不要 | 必ず家庭裁判所において相続人等の立会いをで開封 |
メリット | ・作成が簡単 ・安価に作成 ・内容を秘密にできる | ・保管の心配不要 ・遺言の存在の明確化 ・遺言の内容の明確化 ・検認手続き不要 | ・遺言の存在を明確化 ・内容を秘密にできる |
デメリット | ・検認が必要 ・紛失のおそれ ・法的な不備による紛争の恐れがある | ・遺言内容が漏れる可能性 ・遺産が多い場合は費用大 | ・検認が必要 ・法的な不備による紛争の恐れがある |
(注)家庭裁判所の検認
検認とは、相続人に対して遺言の存在およびその内容を知らせると共に。遺言書の内容の明確化、遺言書の偽造・変造防止の手続きです。
公正証書遺言をオススメする理由
ハナハ行政書士・社会福祉士事務所では、公正証書遺言の作成を強くオススメさせて頂きます。理由は以下の通りです。
- 自筆証書遺言は書き方を間違えて無効になってしまうリスクがあるが、公正証書遺言は公証人が作るので間違えて無効になるということがほとんでない
- 自筆証書遺言の場合は、紛失してしまったり、相続人が遺言書の存在に気付かないというケースも考えられが、公正証書遺言は原本が公証役場に保管されるので存在が明確化される。
- 遺言書の正本や謄本を紛失したとしても、遺言者が公証役場に原本があるので再交付してもらえる。
- 相続が開始した後は、相続人や受遺者から再交付の請求をすることもできる。
- 相続が開始した後に、公正証書遺言があるのかどうかを相続人が公証役場に照会をかけることもできる
- 公正証書遺言を作るとき、基本的に遺言をする人が公証役場に行くが、病気などで行けない場合は自宅や病院に公証人が出張してくれる。(ただし費用負担は増える)
自立証書遺言など、公正証書遺言以外の遺言の場合には、遺言の法的な要件不備によって遺言自体が無効になるという状況を数多く耳にします。しっかりと法律に沿った有効な遺言書を作成するためにも、ハナハ行政書士・社会福祉士事務所では、公正証書遺言の作成を強くオススメさせて頂きます。
当事務所の遺言書作成サポートの特徴
個人事務所・福祉経験豊富な行政書士ならではの親身でわかりやすい対応
ハナハ行政書士・社会福祉士事務所は、福祉経験約20年の行政書士・社会福祉士・公認心理師・介護福祉士資格を持っています。難しい法律用語などを、簡単に「わかりやすい」ご説明させていただきながら、親身にご相談をお受けいたします。また、受任をさせて頂いた際は、必ず料金説明を丁寧に行い、見積書を提示し、不当な料金請求をいたしません。
愛媛県の公正証書遺言の作成・遺言書の相談はハナハ行政書士・社会福祉士事務所まで!!
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